再生医療

再生医療とは?

■21世紀、最も期待される「第3の医療」
細胞そのものが持つ再生能力を活用する再生医療は、21世紀の新しい医療技術として現在急速に進歩しています。

歯科医療の領域でも歯周病で失われた骨の再生方法として、
◇エムドゲイン等の骨形成を誘導するタンパク質を用いる方法
◇骨の形成を助ける人工膜を用いる方法(GTR法)

抜歯で失われた部分の再生方法(ソケットプリザベーション)として、
◇自家血液由来のゲルを用いる方法
◇骨の補填剤を用いる方法

などがあげられます。

従来の治療は、現状を維持するという程度の効果が限界でしたが、この様な再生医療技術の開発により、積極的に歯の寿命を延ばしたり、骨の回復が可能となり、 歯槽骨・歯根膜を含めた完全な歯周組織の再生、インプラント等に最適な抜歯窩の回復が出来るようになりました。

ソケットプリザベーション ※ソケットプリザベーション(歯槽堤保存術)・・・
ソケットプリザベーションとは、骨の吸収を防止するために、抜歯の時点で人工骨などを「穴」に入れて骨を再生させる方法です。
抜歯すると、歯があった場所に「穴」があきます。この「穴」を抜歯窩(ばっしか)と言います。
抜歯窩は、時間とともに周りの骨の吸収が進み、痩せて薄くなってしまいます。そうなってしまうと、インプラントを埋め込むことが難しくなるため、骨再生治療を行います。骨が痩せて薄くなる前に処置をしておく方が負担が少なくてすみます。

エムドゲイン治療

歯周病が、中程度以上の進行状態になると、歯を支えている骨が広い範囲で溶けてしまいます。そしてそれが更に進むと歯の脱落もしばしば見受けられます。
この歯を失う原因一位の歯周病に、今まで特効薬はありませんでした。しかし、スウェーデン製のエムドゲインは、その溶けてしまった骨をある程度再生してくれます。

※エムドゲインは、スウェーデンのビオラ社で開発されたブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料です。主成分はエナメルマトリクスデリバティブ(EMD)と呼ばれる、子供の頃歯が生えてくるのに重要な働きをする蛋白質で、その安全性は立証され世界30カ国以上で臨床応用されています。

エムドゲイン ■エムドゲイン治療の流れ

①歯周ポケットの測定
②歯肉の切開
③歯肉の剥離
④歯根表面の清掃
⑤エムドゲインゲルの塗布
⑥縫合

エムドゲイン

GTR法

GTR法とは、「組織誘導再生法」のことです。
歯槽骨、歯根膜の再生という点ではエムドゲイン治療と同じですが、こちらは骨を再生したい部分を人工膜(メンブレン)で覆い、骨の自己再生を促す方法です。

GTR法




■GTR治療の流れ

①歯肉の切開・剥離

②歯根表面の清掃

③歯槽骨や歯根膜が破壊された範囲を人工膜(メンブレン)で覆います。これは、骨などの硬い組織を再生させたい部分に、歯肉などの軟らかい線維性の組織細胞を混入させないためです。

④膜の上から、歯肉をかぶせるように戻します。歯槽骨や歯根膜が再生されるべきスペースが確保されていれば、破壊された歯槽骨や歯根膜は徐々に再生されてきます。

※注意点
エムドゲイン治療、GTR治療のどちらにも言えることですが、再生箇所は非常にデリケートなので、徹底した口腔衛生管理をしていただかなくてはいけないのと、GTRに関しては骨が再生した後人工膜を取り除く手術を行いますので、治療終了まで長期間に及んでしまうのをご理解下さい。

血小板濃縮フィブリン製剤(CGF)

上記で述べましたが、抜歯時・抜歯後にはソケットプリザベーションを行うのが理想的です。
この時に使用するものですが、以前は人工骨やPRP(血小板血漿)を使うのが主流でしたが、人工骨には個人により吸収量が違ってくる、感染のリスクが少なからずあるといった部分があり、PRPは自己血液ですが添加物を混入しなくてはいけないといった部分があります。そこで当院では添加物を一切使用しない、完全自己血液由来のゲル素材(CGF)を作る『メディフュージ』を導入しました。

■CGF作製手順

採血


①最初に採血をします

遠心分離


②「メディフュージ」で遠心分離します

濃縮血小板


③血液中の血小板や赤血球が分離されます

フィブリンゲル

④血液中の凝固因子が自然に刺激されてフィブリンゲルが形成されます

フィブリンゲル


◆CGF(concentrated growth factor)とは・・・

CGFとは、血小板・成長因子が豊富に含まれた、完全自己血液由来のフィブリンゲルです。抗凝固剤・トロンビン・CaCl2当の添加物を一切用いないので、感染リスクが低減されます。
PRP(Platelet Rich Plasma)にかわる、次世代の血小板濃縮フィブリン製剤として、歯科分野や再生医療分野など多くの分野での応用が期待されます。

※1 一般的にPlarelet Rich Fibrin(PRF)とも呼ばれていますが、遠心分離の回転数をコントロールすることで得られる丈夫なPRFを特にCGFと呼んでいます。

骨補填材

インプラントや歯周病の手術、抜歯などで骨の量が少ない場合、骨補填材を使うことがあります。

骨補填材と言っても種類がいくつもあって、
①自家骨(自分の骨。最も安全で骨が出来やすい。)
②他家骨(アメリカの組織銀行から入手する遺体から採取した骨。
     感染の心配は無いようですが、日本では未認可)
③異種骨(主に牛骨。生体親和性に高い脱タンパク牛骨ミネラルで、欧米ではポピュラーな材料。
     日本でも一部認可。)
④人工骨(ハイドロキシ・アパタイトやβーTCPなど化学合成されたもので、日本でも認可・販売されている。)

最も臨床成績が良く安全で、かつ骨が出来やすいのは自家骨だと思います。
しかし、自家骨を使うためには、他の部位から骨を採取してこなければならないため、患者さんの負担も増えます。
また、移植した骨が吸収しやすいという問題もありますので、当院では主に人工骨と自家骨を混ぜ合わせたものや、
人工骨とCGFを混ぜ合わせたものを使っております。

これまでの人工骨は、移植後も長期に渡り体内に異物として残留するのに対してβ-TCP(β-リン酸三カルシウム)は移植後に自分の骨として吸収され置き換わるリモデリング(※1)の機能を最大の特徴としております。
従来症例に於いては、生体への残留を避ける等の理由により人工骨を用いず、患者本人から採骨した自家骨を移植、あるいは自家骨と人工骨の混合物を移植するケースもありましたが、β-TCPは、従来のブロック体と様々な症例で混合して充填できるため、自家骨移植の必要をなくす、あるいは最小限にすることができます。この結果、患者への外科的侵襲が軽減され患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上が期待されます。

(※1)リモデリング・・・
骨本来の組織・構造が再形成される機能を言います。β-TCP(β-リン酸三カルシウム)は、リモデリングとともに吸収され自家骨(自分の骨)に置換されます。骨本来の構造の再生が進行することにより骨補填部の機械的性質も骨本来のものに近づきます。また、生体適合性が高く、優れた骨伝導能(骨を呼び込み、骨形成を促進する性質)と吸収性を併せ持っています。

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